徘徊対策としてカバンにGPSを搭載

カバンにGPS

高齢化社会の中では、家族の中の高齢者が徘徊をするということが問題になっています。そのため、その問題をどうやって解消していくのかということについて色々な議論がなされているのが現状であると言えるでしょう。さて、そんな徘徊対策の一つとして考えられるのが、人工衛星を使った位置情報システム「GPS」です。徘徊対策としてこのGPSを徘徊対象者のカバンに搭載することで、その徘徊に関するリスクを大きく下げることができる可能性があります。

GPSをカバンに搭載するメリットは、なんといってもリアルタイムな位置が把握できるという点です。位置情報システムはカーナビゲーションなどにも用いられていることからも分かるように、その場その場での位置情報を示してくれます。カーナビであれば自分の居る位置を示すようなシステムですが、位置情報を外部で読み取るシステムを導入すれば対象のGPSが搭載されたものの位置を外部から把握することも可能になります。
(参考:徘徊を禁止したらストレスが溜まって大変なことに

ですので、徘徊をするような人のカバンにこのGPSをセットしているだけで、その人がどこまで徘徊しているのかなどが簡単に分かるようになります。

ただ、このGPSのデメリットや欠点としては、その搭載しているカバンを置いて徘徊に出かけられたりカバンが別の場所に放置されたりするような場合、リアルタイムな本人の位置情報を把握することが絶対にできなくなります。そのため、カバンを絶対に持って徘徊に出かけるという方でなければGPSの役割は十分に発揮されないと考えていいかもしれません。

欧米などではこのGPSを体内に埋め込むということも考えられているようですが、それでは人権の侵害になりかねませんからそこまで行くのはややオーバーアクションのような気がします。そのため、とりあえずの対処法や対策法として、カバンなどの持ち物にGPSの搭載という形で徘徊へのアクションを起こしてみるのも一つの手でしょう。

男性と女性ならどちらが徘徊しやすい性別なのかな

老夫婦

人間はなぜか、意味もなく徘徊をしてしまう生き物です。しかし、その人間も男性と女性という二つの種類がありますので、その二つの性差において徘徊のしやすさも関係しているのかということが気になります。実際に男性と女性ならどちらが徘徊しやすい性別なのでしょうか?これについては、ある一定の視点から見ると、意外とアカデミックな結果が出てくると思います。

男性と女性の大きな違い、その一つであるのが認知症の発症しやすさです。徘徊というと認知症の症状が考えられますが、その認知症の症状が起こりやすいのは女性である割合が高いのです。なぜこのような性差が生まれてしまうのかという原因は未だに明確ではありません。しかし、男性に比べて女性の方が脳の萎縮が起こりやすいことや、寿命が長いという特性から必然的に脳が加齢により萎縮するということが起こり得ます。この傾向から、女性ほど認知症を発症しやすく、その流れで女性の方が徘徊をしやすいと考えられるでしょう。
(参考:徘徊対策としてカバンにGPSを搭載

しかし、認知症の面で捉えると女性の方が徘徊をしやすいですが、人間の性質的な面で見ると男性の方が徘徊をしやすいと考えていいかもしれません。というのも、男性はちょっと暇があると外に出る癖があります。この癖は子供であっても大人になっても、そして老人になってもあまり変わりませんから、性別的には病的な徘徊は女性の方が多いものの病的ではない徘徊は男性の方が多いと考えられるかもしれません。そうなると、男性の方が徘徊しやすい性別であると言えるでしょう。

性別によって徘徊の頻度やその傾向が変わってくるとなると、人間は性別によってここまで違った生き物なのかと改めて実感をしてしまいます。そして徘徊におけるこのような性差から、徘徊についてのリスクについても性別によって違うと考えておけば、その性別による徘徊のリスクマネジメントなども容易に方向性が作りやすいと考えていいと思います。

皆んなが寝静まる夜こそ徘徊をするべき時間帯

寝静まる夜

小・中学生の頃は、何か人とは違ったことがしたいという気持ちや、じっと家に居ていられないという衝動生から外に出ることが多くありました。外に出ても誰と遊ぶわけでもなく、自分一人でそこらへんをほっつき歩くだけでしたので、その行動はいわゆる徘徊と呼べる行為だったと思います。徘徊は一般的にあまり聞こえのよくない行動ですから、当時の私としてはその聞こえのよくない行動としての徘徊を一つのステータスとしても捉えていたのかもしれません。

この徘徊をするのは、最初は昼間が多かったですが、やはり昼間は徘徊に適している時間とは言えません。その理由としては、昼間は人目につくので徘徊をしていることが一目で誰にでもに知られてしまうということ、そして非行性が少ないということが挙げられます。徘徊はあまりよろしくない行為ですので、人から見られるのは良くないことです。もし見られてしまうと、学校や親に通報されるリスクがあります。小・中学生の子供があてもなく近所を何度も歩いていると「この子は何をしているのか?」と危険に感じられ、通報される可能性が高いのです。
(参考:アリセプトを服用させると母の徘徊が減った

さらに、昼間の徘徊というのは半ば「散歩」として捉えられる可能性もあるため、非行的な行動ではなくスリルがありません。そしてスリルが無いため、ステータスにもならないのがネックです。このようなことを考えると、昼間に徘徊をするメリットはそれほど無いのです。そして逆に、皆んなが寝静まる夜こそ徘徊をするべき時間帯であると言い換えることができるかもしれません。

今では徘徊をすることもなくなりましたが、子供の頃であればやはり夜に徘徊をしたほうが楽しいと思います。こういうことはあまりお勧めするものではないですので、大きな声では言うことができませんが、子供達にスリルを味わいながらステータスとしての徘徊をしたいなら、皆んなが寝ている深夜だよと教授してあげたい気持ちも無きにしもあらずです。

徘徊を禁止したらストレスが溜まって大変なことに

ストレスがたまる

最近、父が徘徊をするようになりました。原因は不明ですが、おそらく精神的な疾患によるものであると考えられます。一応は近くのメンタルクリニックへ受診をしているのですが、まだ服薬の調整などが十分ではないようでお薬の効果がでていないのかその症状は改善傾向にありません。このような状態から、私たちはかなり父のことを見ていなければならない立場になりました。いわゆる身上監護というやつですね。ですが、そのような身上監護をする時間は、社会人である私たち家族にはそれほど多くありません。そのため、父が勝手に徘徊しないように、家の施錠をして徘徊を禁止することにしました。

最初は仕方のないことだし、これしか徘徊を止める方法は無いと考えていたので、振り返りもせずに徘徊禁止をいきなり実行したのですがそこで大きなトラブルが発生したのです。それは、父の徘徊を禁止したら、ストレスが溜まって逆に父が大変なことになってしまったというトラブルです。

徘徊を禁止した初日は特に何もなかったのですが、二日目三日目となるとどんどんと表情が硬くなってきて、家の中で異常行動を多く行うようになりました。異常行動というのは最初は家の中を歩き回る程度でしたが、エスカレートしていくと家の中のものを壊すなどの行為に走ったため、最終的に家の中がめちゃくちゃになるという惨状になったというオチです。

このエピソードをメンタルクリニックの先生にお話しすると、徘徊は危険な行為ではあるが、本人のストレスを解消するための大切な方法なのでできるだけ付き添って出かけるなどの対応をしてくださいというアドバイスを受けました。父はおそらく徘徊で自分の中のストレスを発散していたのでしょう。

先生からアドバイスを受けたことや、もう家の中が大変なことにならないように、徘徊の禁止をやめてできるだけ家族が連れて一緒に散歩に行く対応をしたため、今ではだいぶ父の精神状態はマシです。

徘徊は無目的に行うものではなくそこに意味がある

徘徊の意味

認知症の症状で起こる徘徊には原因があります。原因といっても一つではなく複数考えられるのです。

見当識障害が原因による徘徊です。認知症の症状が進むと現在自分が置かれている状況や時間などの認識力が低下してきます。すると本来自分のあるべき場所を求めて徘徊行動を繰り返すようになります。

不安やストレスも徘徊の原因となります。今現在置かれている環境に居心地の悪さを感じて、安心できる場所に帰りたいと考えるようになります。昔の記憶を鮮明に覚えていたりしますので、生まれ育った実家や長く住んでいた場所に戻りたいという気持ちが芽生えてきて、そこへ向かうために徘徊行動を起こすのです。

認知症になる原因はさまざまですが、前頭葉にある側頭葉が委縮することによって起こる前頭側頭葉型認知症の場合、徘徊行動が見られやすいのです。

前頭葉側頭葉型認知症では同じ行動を繰り返す習性があり、同じ場所を何度も徘徊する傾向が強く見られます。この場合の徘徊は同じ行動を繰り返すため、迷子になるリスクは低いと考えられます。

一見理由もなく徘徊しているように感じられる認知症患者の徘徊行動にはそれぞれ適切な理由があるのです。それなのにその欲求を無理に抑えようとしてしまうと、それが患者にとって強いストレスとなり暴力的な発言や行動を引き起こしてしまったり、症状をますます悪化させたりする原因となります。

そのため大変かもしれませんが、認知症患者に徘徊行動が見られるようになったらその家族は一緒に出掛けて事故や転倒といったケガのトラブルが起こらないか、迷子にならないようにしっかりと見張っておく必要があります。

ご家族の負担を軽減するために、「認知症による徘徊の予防や防止に効果的な徘徊防止グッズ【ケース別】」という記事ではお役立ちのグッズをご紹介しています。
道具を上手に使って、介護者の方も元気に介護を行いたいものですね。

【参考リンク】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000064084.html
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=2196

徘徊をするからといって個室隔離は人道に反する

個室

老人保健施設などで働いていると、どうしても年齢的な事柄から認知症の方が入ってきます。おそらくこのようなケースでは、家族が介護をしきれなくなってしまって、藁にもすがる思いで施設の窓を叩くのでしょう。しかし、このような重症化した状態で施設入所をされる方は、いわゆるBPSDと呼ばれる認知症に関係した問題行動が現れることがよく知られており、その問題行動の中でも徘徊が目立つ傾向にあります。

この徘徊については、自由にさせておくべきであるとか、ある程度の制限を設けるべきであるなどのいろいろな意見がありますが、その対応策の一つとして個室隔離というものが挙げられます。個室隔離は、その名前の通り、徘徊をする人を個室に入れて施錠をしてしまうことです。個室に施錠をするわけですから、その人は外に出られる状態ではなく、完全に自由を封じられるので徘徊ができなくなるのです。

徘徊を手っ取り早く制限するのであれば、個室で隔離をしておくことはメリットがあるでしょうし、かなりインスタントで早いです。
(参考:皆んなが寝静まる夜こそ徘徊をするべき時間帯

しかし、徘徊をするからといって個室隔離は人道に反すると言っていいでしょう。もしも自分が個室隔離をされてしまったらどうでしょうか。あたかも実験室に入れられるモルモットと同じように、人間としての尊厳を全て奪われて、人権の無いただの物として扱われているのと同様になってしまうでしょう。そのような環境で個人を閉鎖するのは、人権の観点からしてできるだけあってはならないことだと思います。

徘徊を制限する方法は個室隔離以外にも色々とありますし、むしろ徘徊を制限せずに自由に歩かせてあげるほうが結果として徘徊が酷くならないという結果もあるようです。ですので、徘徊をしたからといってすぐに個室に隔離して自由を奪ってしまうというのは絶対にせずに、ある程度は徘徊をする本人に合わせて対応をするほうが良いと、老人施設職員の立場から言わせてもらいます。

アリセプトを服用させると母の徘徊が減った

アリセプト

母が認知症を発症しました。以前から物忘れがひどくなってきたなと感じたのですが、久しぶりに実家を訪れてみて母の異変に驚かされたのです。冷蔵庫には賞味期限切れの食品があふれかえっていたのです。しっかり者だった母は、食品の管理にはとても厳しい人でしたのでこれはおかしいと即座に判断してお医者さんに連れて行ったのです。

予想通り母は認知症を発症していました。しかも最近は徘徊行動までみられるようになって、家族で以前住んでいた家に帰ると言ってきかないのです。母は父とともに私たち子供が巣立ってからマンションに引っ越しをしました。

しかしその後父も亡くなってしまって、ずっと一人暮らしをしていたのです。父が巣だってからというもの元気そうに振舞っていましたがやはりふさぎ込むことも多かったようです。

母の主治医の先生は母の症状緩和のためにアリセプトという薬を処方してくれました。

これはアルツハイマー型認知症やルビー小体型認知症の症状進行を抑制するための薬になります。

これを処方されてしばらく経過したところ、あんなにひどかった母の徘徊癖が段々と落ち着いてきたのです。今までは突然家にいてもそわそわし始めて「早く家に帰らないと」と言って荷物をまとめて家を出ようとするのです。

私が何度ももうあの家はないんだよと言い聞かせても、私の言う事を聞かずしかも私に対して怒りをあらわにしてくる始末でとても困っていたのです。

認知症は一度発症してしまうとそれを完全に直すことが難しいと言われていますが、さまざまな認知症に関連する治療方法や治療薬も様々なものが出てきています。上手く活用すれば認知症の症状を抑えることは十分可能なのだということがよくわかりました。

健常者でも徘徊したくなる時はあるのは当然

健常者

時々徘徊したいなと思った事はありませんか。私はあります。たとえばイライラが募ったときです。家の中にじっとしていても何だか気分がもやもやとしてしまうだけですので、意味もなくふらりと散歩に出かけたりするのです。

目的も持たずに散歩に出かけることで、普段は目に止めることのなかった景色やお店を発見できたりするとだんだんと気持ちが落ち着いてきたりするのです。

ですから認知症の患者さんが徘徊したいという気持ちは全く理解できないわけではありません。認知症の患者さんが徘徊行動に出るのはそれなりの理由があるからです。

一つは不安やストレスです。認知症の症状がすすむと時間や場所を認識することが難しくなってきます。すると突然大きな不安にかられてしまっていてもたってもいられなくなるのです。

そして外に徘徊することで自分の落ち着ける場所を探したり、不安を消そうとしたりするのです。
(参考:徘徊していても無事に帰って来れば問題は無い

また認知症にかかると直近の記憶が薄れてしまっても、昔のことは鮮明に覚えていたりするのです。若い時の楽しい記憶がよみがえってきてその場所にまた行きたいと考えるようになります。

そこで徘徊をして自分の育った家や職場を訪れようとしたりするようになるのです。徘徊が認知症患者のストレス解消になっているとはいえ、それを見守る家族は大変だと思います。

認知症患者ではない人が徘徊するのとは違って、自分の家に帰ってくる事が難しくなってしまうからです。

認知症患者の徘徊行動を抑えるための手段としては、不安を少しでも解消するために楽しめる趣味を見つけたり、デイサービスに参加して仲間を作ったりすることも有効手段の一つだと言われています。